【2025年版】エアコンと灯油暖房はどっちが安い?冬の暖房コストをプロが徹底比較

冬になると気になるのが 暖房のランニングコスト。
「エアコンの方が安い?」
「灯油ストーブの方が安い?」
結局どっちが得なの?という疑問に、電気工事士の視点で“数字に基づいた比較”をまとめました。
暖房コストは「1kWh-熱」あたりで比較するのが正確
暖房器具の電気代や灯油代を比較するもっとも公平な方法は、
1kWh 分の“暖房の熱”を得るためにいくらかかるかを見ることです。
・エアコン(ヒートポンプ)の暖房コスト
エアコンは ヒートポンプ方式で効率が高く、
“消費電力量”よりも多くの“暖房の熱”を作れます。
- 電気単価:30円/kWh
- COP(成績係数):3と仮定
計算式:30円 ÷ 3 = 約10円/kWh-熱
▼ポイント
霜取り中は効率が一時的に落ちる
外気温が高いと COP が上がる → さらに安い
外気温が低いと COP が下がる → 灯油と差が縮まる/逆転もあり
・灯油暖房(FF式・ファンヒーター)の暖房コスト
灯油1Lの発熱量は 約10.1kWh。
灯油価格120円/L とすると…
計算式:120円 ÷ 10.1 = 約11.8〜12円/kWh-熱
▼ポイント
給油の手間・保管・換気が必要
寒さには強い(外気温が低くても効率は変わらない)
灯油価格が上がるとコストも上がる
結論 どっちが安い?
| 比較項目 | エアコン | 灯油暖房 |
|---|---|---|
| 1kWh-熱のコスト | 約10円 | 約12円 |
| 外気温の影響 | 大きい | 少ない |
| 使い勝手 | ボタン1つ | 灯油の補充必要 |
| 部屋の暖まりやすさ | じんわり | 速い(対流+放射) |
◎結論:
平均的な地域では「エアコンの方が安い」ケースが多いです。
ただし以下の場合は灯油が有利になります。
▼灯油の方が有利になる条件
- 真冬に −5℃以下の環境が続く
- 古いエアコンのため COP が2以下
- 大きな部屋を短時間で温めたい(放射熱が効く)
判断できる“早見式”
エアコンの暖房コスト
電気単価 ÷ COP
例:31円/kWh・COP2.5
→ 31 ÷ 2.5 = 12.4円/kWh-熱
灯油の暖房コスト
灯油価格(円/L)÷ 10.1
例:145円/L
→ 145 ÷ 10.1 = 14.4円/kWh-熱
最も経済的に使うためのアドバイス
▼エアコンの場合
- 霜取り対策で“自動運転”が最適
- 風量は「自動」にする
- 室外機まわりに雪や障害物を置かない
- 2.8kW以下の小容量で広い部屋は効率低下しやすい
▼灯油ストーブの場合
- 灯油価格が安い時期にまとめ買い(冬は値上がりしやすい)
- こまめに換気(CO対策)
- サーキュレーター併用で暖房効率UP
暖房コスト計算ツール
まとめ
冬の暖房選びは「感覚」よりも「数字」で比べるのが確実。
平均的な気候では エアコンが安いですが、
寒冷地・外気温が極端に低い環境では灯油が有利になることもあります。
個人的にはスポット的に使う事や急な暖を取りたい場面は灯油の火の暖かさが良いですね
あなたの家庭の電気単価や灯油価格に合わせて計算することで、
最もお得な暖房方法が一目で分かります。
FAQ
Q1. エアコンの暖房と灯油ストーブ、どちらが本当に安いの?
一般的な気温の地域ではエアコンの方が安くなるケースが多いです。
ただし外気温が−5℃以下になる寒冷地では、灯油暖房が有利になることもあります。
Q2. 最新のエアコンに買い替えると暖房コストは下がる?
はい。最新機種は COP(効率)が高いため、古いエアコンより 20〜40%ほど消費電力が下がるケースがあります。
Q3. 灯油ストーブは換気が必要ですか?
必要です。灯油暖房は燃焼式なので、CO(一酸化炭素)対策として定期的な換気が欠かせません。
Q4. 暖房の電気代を最も安くするコツは?
エアコンの場合は「自動運転」「風量自動」「こまめにフィルター掃除」が最も効果的です。
Q5. エアコンの暖房能力はどう選べば良い?
部屋の広さよりやや大きめの容量(kW)を選ぶと、短時間で温まり効率も上がり、結果的に電気代を抑えられます。