エアコン専用コンセント工事・ブレーカーが必要な理由

夏や冬になるとフル稼働するエアコンですが、取り付け時に「専用コンセント」や「専用ブレーカー」があるのはご存知でしょうか?
その理由やメリットを詳しく解説します。
「電気工事士」実際の工事写真とともに説明いたします。
今回は、「エアコン交換工事」と並行して施工させていただきました。

エアコン専用コンセント
現役電気工事士が実際の工事画像を元に解説


現役の電気工事士が解説:エアコン専用コンセントとブレーカー

エアコン専用コンセントとは、エアコンだけに電気を供給するために設けられた独立した回路とコンセントのことです。
通常のコンセントとは異なり、容量(アンペア数)も大きく設定されており、安全にエアコンを使用するために必要です。

エアコン専用コンセント
今回はエアコン専用コンセントの工事とエアコン交換工事です



↓主なエアコンの大きさや機種によるコンセント形状です。
エアコンを買い替えようかと検討されている方は現状で家に付いているエアコン専用コンセントを確認してみるのも良いかもしれません。

↓よく使われているエアコン専用電源コンセント

よく使われている、エアコン専用電源コンセント
エアコン専用コンセントの主な形状

100V15A

エアコン専用コンセントの主な形状

100V20A

エアコン専用コンセントの主な形状

200V20A






エアコン専用コンセント工事が必要な理由

①なぜエアコン専用コンセントが必要か?これが一番の理由です!実際に工事をしてるプロが教える

エアコン専用のコンセントが無い場合「そのコンセントには大電流を使う為の電気回路の設計がされていない」
「エアコンの始動電流での一時的上振れがある」
これが大きな理由になります。
単純に「コンセントの形状が違う」という事ではありません。

今回取り付けする機種は東芝製の「RAS-U562DZ」

仕様

冷房暖房
消費電力2,100W
(160〜2,200) ←ここに注意
1,950W
(150〜3,280) ←ここに注意


この仕様を見ると、冷房時160w~2200w、暖房時150w~3280w
となっております。
この機種は単相200vである為、単相200vのコンセントが必要
その専用の電線で回路が組まれた配線と専用のブレーカーが必要となります

$$
電流(A) = \frac{消費電力(W)}{電圧(V)} = \frac{3280(W)}{200(V)} = 16.4A
$$


最大値で設計


今回の問題点
・エアコンが200V
・エアコン専用回路がない

②過負荷によるブレーカー落ちを防ぐ

専用コンセントがないと、他の電化製品が同時に稼働した場合に、過負荷時ブレーカーが落ちる可能性があります。

③発熱や発火のリスクを回避

心配な場合は分電盤にあるエアコン回路の電流を測るのも良いと思います。

共立クランプ 電流計

④エアコンの性能と寿命を維持

専用回路を設置することで、エアコンが安定して電力を供給され、性能を最大限に引き出すことができます。

エアコン専用コンセント設置のメリット

  • 発熱による発火の恐れがなくなる
  • 安全にエアコンを長く使用できる
  • 電力供給が安定し、冷暖房効率がアップする
  • 他の家電との併用でもブレーカーが落ちる心配がない


実際の工事の流れ

【工事前の状況】

今回はエアコン交換工事とともにエアコン専用コンセントの工事をご依頼いただきました。
建物や分電盤などそれぞれ古くなっている為、施工方法が限られてしまいます。

古くなったエアコンの交換工事と、エアコン専用コンセントの工事

エアコン専用回路の電気工事前


【ブレーカー追加工事の様子】
エアコン専用コンセントの回路を組む為に、ブレーカーを追加しました。
「エアコン専用ブレーカー 20A」このブレーカーは分電盤によって種類が決まります。

エアコン専用のブレーカー



【工事後の仕上がり】

今回の電源は200Vです

作業時間:約1〜2時間程度

実際の工事画像
エアコン専用コンセント

エアコン専用コンセントをモールにて。工事後


費用目安:約15,000円〜30,000円前後(工事内容により異なる)

よくある住宅用分電盤 エアコン専用ブレーカー(追加後)

実際のエアコン専用回路を設けた、エアコン専用ブレーカーです。
エアコンブレーカーは使用する「エアコンの機種・仕様」と「分電盤の種類」によって決まります。

実際のエアコン専用回路を設けた、エアコン専用ブレーカー

パナソニック分電盤 コスモシリーズ

分電盤のエアコン専用ブレーカー

日東工業 分電盤

よくある間違い

古くからある換気扇や、換気扇専用に取られている電源コンセントは「エアコン専用コンセント」には使えません

よく間違えるパターン

この換気扇の電源コンセントは容量が低く計算された回路の為に、そのままエアコン専用にはなりません。


よくある質問(FAQ)

Q. エアコン専用コンセントは絶対必要?不要?

A. 厳密に言うと「絶対に必要」という事ではありませんが、その場合は回路計算と確認が必要になると思います。

Q. エアコン専用コンセントの増設の費用は?

A. 場所により異なります、現地調査の上でお見積りとなります。

Q. 古い住宅でもエアコン専用コンセントは設置できますか?

A. はい、可能です。築年数に関わらず、現場調査を行い安全に工事が行えるか確認してから作業を進めます。

Q. 専用コンセントがないと必ずトラブルになりますか?

A. 必ずしもトラブルになるとは限りませんが、リスクが高まります。エアコンの性能を発揮し、安全に使用するために専用コンセントをおすすめしています。

Q. どんなエアコンでも専用回路が必要ですか?

A. 基本的には専用回路を推奨します。


まとめ

・エアコン専用コンセント・ブレーカーは、安全に長期間エアコンを使用するために重要なものです。
その電気機器の仕様のもとに「設計された回路とコンセント形状」が決まります。
その電気製品にどんな電気が流れるかが重要と思います。



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